Shin's COLUMUN on WEB
HBJ編集長イケダシンによるハーレーもろもろその他暮らしのブログ
分け入っても分け入っても青い山
2013/05/06

山頭火という俳人が好き。

――ないものはないように生きるほうがよいよ。いろいろなものがあると、また旅に出るときにうるさいから、わしはなるべくものを持たぬように工夫しちょる。其中庵でも持たぬようにしていたつもりだったが、さて庵の整理をしてみると、ガラクタの多いことには驚いた。一所に安住すると、ガラクタもたまるが、心の垢もたまる。それを捨て捨てして、一日一日、旅の宿にいるようにしていくのじゃ。

――わしはのんた、世の中のことがよく解らん。君ら月給取りは月給が足らん足らんとよく言うらしい。ところがわしは、そういう人々がまだ使えるものを投げておるので、拾うのに忙しいくらいだよ。勤めもせず、儲けもせず、むろん財産のないわしは、人から与えられるものと、捨てられてあるものを拾って生きていくほかない。この鍋は山口の病院の裏に捨ててあった。この七輪は小郡の掃きだめにあったのだよ。

1882年生まれ、1940年没。乞食僧として、句作しながら行乞行脚の旅に生きた山頭火は、日本のビートニクだと思う。

Profile

池田 伸

Shin Ikeda

1962年、長野生まれ。
作家/旅人/バイク乗り。
「ホットバイクジャパン」「旅学」「ヴァージンハーレー」編集人。著書にオートバイの旅を綴った「路上へ」(河出書房新社)、シルバー&革職人高橋ゴローのライフストーリー「イエローイーグル」(A-works)、窪塚洋介とエジプトを旅した「放浪」(NORTH VILLAGE)他。

www.facebook.com/shinikeda8